サイトの更新は仕事をした順番というわけではなく、突然思いついて追加したりしています。
突然思い出すことといえば、
ある港町の喫茶店で「フォークは2本じゃなくていいのかしら?」と何度も聞かれたことを思い出す。
二人でコーヒーをふたつとチーズケーキをひとつ頼んだので、二人で食べると思われたんだろう。
上品なトーンでやさしい人だなと思いながら、僕は甘いものが苦手なので大丈夫ですと答えた。
でもその後も何度も聞かれた。
何度も聞かれるのでちょっと変だなと思いつつも、丁寧に聞かれるのでなるべく丁寧に返した。
今思えば食べずともお礼を言ってフォークを2本お願いしておけばよかったのかもしれない。
コーヒーはとてもおいしかったし、お店も港町で昔から愛されていたという感じで居心地がよかった。
ただ僕ら以外のお客さんはカウンターのレジの隣に座ってる初老の男性だけだった。
街の賑わいに比べると、その喫茶店は繁盛しているとは言い難かった。
ひととおりゆっくりしてお会計をお願いしたら、
何を頼んだのかがわからなくなってしまったとのことだった。
コーヒーを二つをチーズケーキをひとつだと説明しお札を渡した。
その時には彼女に起きているかもしれない問題に関して考え始めていた。
お釣りの計算がどうしてもできない様子だったので、こちらで計算すべきか考えていると、
レジ横の席の男性が、店主にしか聞こえないような声でお釣りの金額を伝えた。
その男性は僕達が入店する時にはそこにいたし、たぶんもっと前からそこにいた。
僕は今「彼女に起きているかもしれない”問題”」と言った。
でも実際はなんの問題も起きなかったし、完璧な休憩だった。
問題と言えるようなことも、起きそうな問題もなかった。
外に出ると、海風の塩気のせいでチーズケーキ食べればよかったと後悔した。